”犬も深く、深く、潜れば。”
梅澤 和夫
禅語に「百尺竿頭より一歩進む」と
いう言葉があります。
”百尺竿頭”とはその分野の頂点のこと
頂点に立ち、もう先が無いところに一歩を
進めよと言うことです。
そこが頂点と思うことは自分が決めた
ことであり
真実の頂点はもっと先にあるのです。
囚われればそこが頂点と思い込み、
それ以上の発展はありません。
自由な心をもてばどんな分野でも(成熟したと
人が考えている分野であっても)じつは
だれも頂点を極めたことのない無限の
世界が広がっていると考えています。
学生時代、小さな船で往復40日間をかけ
日本からオーストラリアまで行きました。
大海原、快晴の空
青に包まれた生活でした。
その時の自分と作品の犬が重なります。
青は無限の広がりと深い孤独を感じます。
深く潜った犬はなにを見ているのでしょう。
自身の体も回りの世界も渾然一体となった
自由な世界に漂っているような感覚を
作品を拝見して思いました。
無限の色
太平洋ど真ん中
無風快晴
小さな船は行く
足元を見れば大海原
深く孤独な色
縦に深く広がっている
見上げれば大空
透明な静寂の色
横に高く広がっている
目前には水平線
空と大海原が渾然一体となって
無限がぽっかりと口を開いている
無限に向け船はつき進む
近づけども逃げてゆく無限の入口
旅は永遠に続く
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