今回は、わたしが絵をホームページにアップすると、 いつもその絵に文章と詩をメールで送ってくださる 梅澤 和夫さんのページです。
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”ーーーぶたい、ぶたい、暑くも、寒くもなくーーー ”
梅澤 和夫
5月8日、9日と父の見舞いのため帰郷していました。 病院に行く途中、森の木々は新緑に輝かんばかりで命の息吹に満ちあふれていました。 それは、もう間もなく消えようとしている父の命とは対照的です。 熱いくらいの木々の息づかいも私にはテレビの画面のようで目には映っていても肌触りの無いものでした。
舞台でスポットライトを浴び熱演している役者さん。 観客は引き込まれ自分も劇の中にいるようになる。 しかし劇が終わり、幕がひかれ、劇場全体が明るくなると現実の世界に引き戻されしまう。
幕ひき後のそんな瞬間を作品を拝見し感じるのは父のこともあるからでしょうか。 しかし、私は幕ひき直後の感覚が好きです。
幕間
父の見舞いにゆく
道はミズナラ林のなかをゆく
飲み込まれ消化管を進むように
萌え出した緑が圧倒的にまぶしい
アレグロ楽章が始まる直前の静寂
熱いのにひんやりした香り
病室はコンクリートの胎内
よこたわる父の姿
幕ひき後の劇場のよう
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