”一つが四つ、四つが一つーーー ”
 

梅澤 和夫
いつも勝手なことばかり書いてばかりですが、目を通していただきありがとうございます。 今回もお茶の世界と作品とのつながりについて述べさせていただきます。 お茶室に入り込む光は障子を通したほんのりとした明かりで、薄暗いというよりも包みこまれる感じがします。
薄暗い世界でもお茶碗などの道具にはうすっらと影がさし、周りの空気と道具との境界をあいまいにして、小さな道具に森羅万象が映りこんでいるようです。
しかし、それを手にとるとふっと消えてしまい、小さな道具に戻ってしまいます。 バーラップの凸凹した質感が影を香りたたせるような感じを受けました。
影が香る瞬間が好きです。
今日、熊本では初霜が下りました。
冬の香り
初霜の降りた町に日が昇る
鋭い寒気が肌を刺す
生まれたての日の光が
銀色に染まった枯野を溶かしてゆく
枯れ草の影法師が足元に映り
ぬくもりを伝える
そのとき
影法師は香り立ち
わが身は冬色に染まる
Back
Next
To Artist's Message
|