”赤いかたち ”
作品を拝見しまず感じたのは「家族」でした。 家族とは社会の最小単位であり、基本であり、心のよりどころでもあります。 切り抜かれた形は父、母、赤ん坊、幼児の順に並んでいるように感じます。 作品は赤い面から切り出されて形が出来ています。 その赤い面は「社会」、切り出す道具は「縁」だと思います。
病気になった人が病院に行き私の担当する患者様になった。 患者様は私を訪ねてきたのではなく病気になったから病院に来たのです。 患者様はその時、初めて私に会った。 社会で結ばれていた患者様と私が病気という縁で結ばれた。 ですから患者様は私の家族です。
このように血縁以外の家族はたくさんいます。 友達、仕事仲間、同級生そして敵やライバルも家族なのです。 時にはいさかいもあるでしょうが、それを丸く収める方法を考え出すのが家族の役割です。 戦うことばかりに目がいっていますが矛を収める方法を皆で考えましょう。
刀は鞘に納めるために持っているのです。抜くためにあるのではありません。 抜くことが目的ならば初めから剥き身で刀を振り回しています。 剥き身の刀を振り 回まわす人は刀を持ってはなりません。
ワールドトレードセンターの事件は私に確実に影響しているようです。 でも、飲み込まれずしっかり見つめてゆきます。 これも縁で結ばれた家族なのですから。
見知らぬ香り
見知らぬ地にやって来た 見知らぬ風が吹いている 見知らぬ香りが包み込む 見知らぬ事は異なること 異なることは違うことにあらず 異なることは新たなるもの 新たなるものは知識を生み 知識は知恵に育ち 知恵は人を豊かにする 見知らぬ人との出会いに心ときめかせるように 見知らぬ香りを大切にしたい |