日本から戻ってきて、一月以上が経ちました。
それでも、制作の方はなかなか本調子にはなれません。
自分だけの生活のリズムが旅行によって壊れたようです。
日本での楽しい生活の、食事の、余韻が残っている間はーー、
からだがその余韻を忘れてしまい、風化して、記憶の一部になるまではーー
もとの私の生活に戻れないようです。
”楽しみのあとに苦あり”とはこのことです。
（西田有輝）
梅澤 和夫
水の流れ
逆巻く渦
身を切る冷たさ
激流に住む魚は
流されまいと必死に泳ぐ
あるとき激流に飲まれ,
流され、傷つき、疲れ果て
池に流れ着いた
静かな水
日の光が暖かい
穏やかな日々
そして
愛し、愛された
ある朝、すべてを捨て
魚は激流に戻っていった
それが定めなのか
今日、熊本は雨です。
雨粒が蓮華の葉っぱにあたり
コッソ、コッソと動いています。
それは学校の集会に集まった女の子達の
おしゃべりのようにヒソヒソ、クスクスと波が
うねり広がるような動きです。
雨のせいでしょうか作品を拝見し,まるで魚に
なって水の中を泳いでいるような感じを受けました。
池のような流れのない水の中に生きる
穏やか、しかし、タイクツ
平和なゆえに刺激が無い
そんな世界が広がっているようです。
