さんじゅうさん の くうかん





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今朝、仕事に行くとき、車のフロントウインドウが霜で凍てついていました。 空気はすっかり冬色で大山の稜線はナイフで切り取ったように冷たくシャープな線を空に描き出しています。 冬の空気はスカッとした広がりを持っていて空がずっと深くなっています。

私は冬の明け方がとても好きです。 空気に何ともいえぬ緊張感があり厳しさの遙か彼方に見え隠れする優しさが香ってくる。 決して甘えを許さないけれども決して見放さない。 人の理想の姿から香り立つような凛とした空気が一面に満ちています。

作品の四角にうっすらと数字が見え、俗っぽい人間くささが香ります。 「冬の夜、寒空の下におでんの屋台に入っているお父さん」と言った感じでしょうか。 そして、お父さんたちの頭の上には冷たく、深い、深い空が広がっています。 夜空に目を凝らすとうっすらと雲が飛んでいて星が見え隠れしている。

作品に冬の空のような広がりと混沌とした蠢きを感じました。 


冬の香り


冬の朝
空はどこまでも深い
稜線は鋭く浮かび上がる

凍てつく枯れ野
一輪だけ野バラが咲いている
霜の香りがほんのりと色付く
何故か ときめく
そう
あなたの香りがする



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