きいろいゆきがふる。 きいろいゆきがふる。
救命救急センターに配属され早3ヶ月、3日ごとの当直業務のため曜日感覚はすっかり失せてしまい、気がついたら正月を病院で迎えていました。

サヌカイトで演奏されたバッハのメヌエットを聞きながら作品を拝見しています。 疲れ切った体、窓を開け放った寒い部屋、サヌカイトの透き通った音、作品の透明感。 すべてが渾然一体となって冬の空気が増幅しています。

私は一切、暖房を使いません。 寒いからこそ冬なのですから寒さを思いっきり感じていたいのです。
1月2日2002年
冬の月


夜明け
西の空はどこまでも透明な群青色
満月が大山を照らしている
刃のような冷たい光
すべてが凍てついている
胸一杯に息を吸う
冷気が一気に入り込んでくる
痛い
冬の空気は美しい
でも
誰も愛さない
なぜ
冬の月が大山を照らす




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