Art Space Seiko

      ”むだい、むだい、むだい、むだい” 絵の名前について考えてみる。 むかしは絵の出てきた日をその絵の名前にし
      ていました。

      たとえば1999年2月19日完成の絵の名前は 21999になります。 そして、日記はその日に経験したことの
      記憶を書いているけれども、この絵はその日の経験そのものであるとーーいったりしていました。

 

ここ数ヵ月は大変うまく絵に名前が付けられています。 しかし今回はなかなか思い浮かびません。 それで”無題 ”としました。

眼をつぶって、無題、無題ーーと口の中でつぶやいてみる。 そのサウンドに心を寄せながら、むーーーだーーいーーむだーいーーーむだいーーむーだーーいーむーだーい。 節をつけて、のばしたり、ちぢめたり、まるで”お口のなかが楽器のよう”心も落ち着いてきた。 サウンドの面白さをタイトルにーーーそれで”むだい、むだい、むだい、むだい”。
(西田有輝)





梅澤 和夫



         季節が描いた絵


つつじをいっぱい植えました

半月前はカチンコチンの深緑
冬色の葉っぱに身を固めていた

先週はポカポカした若草色
フワフワした若葉をまとっていた

今朝はビッシリと花が咲いている
紅藤色、深緋色、桃色、真紅・・・・
赤っていっぱいあるんだ

色が次から次へと押し寄せてくる
目が回りそうだ
明日はどんな色に出会うだろ



題があると、そこに集中した意識が働き ふかく、ふかく進みながら収束してゆく 線上を登りつめ、進む上下方向の動きを 感じます。

一方、無題であると上にも下にも 動かないも同一平面状で広く拡散してゆく 感じを受けます。

絵画は二次元の作品ですが題名により 意識の中で三次元、ひいては四次元の広がり を感じます。

今回の作品はうわっと広がってゆくような 感覚にとらわれました。

熊本では桜が終わり土手を包むように植えられた つつじがうわっと咲いています。

色が押し寄せる波ようにやってくる季節です。

季節が描いた”むだい”の絵画を楽しんでいます。

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