梅澤 和夫
雨の城
霧雨に包まれた梅雨の森
森の体内に飲み飲み込まれてゆくように
薄暗い小道が続いている
えごの木の下だけが白く染まっている
落ち花の敷物だ
なにげない美しさ
気づかずに通り過ぎてしまう美しさ
美しいとも知られず土に帰ってゆく
霧雨は空気を白く染め
えごの花は道を白く染める
ほんのりと
そして
はかなく
|
今日は入梅です。 いよいよ雨の季節。
普通の日本人は梅雨と聞くと憂鬱になりますが、私は雨の季節が好きです。
特に入梅当初のレースのカーテンのような、包み込むような雨が好きです。
深呼吸をすると、しっとりとした柔らかな空気が、肺の中いっぱいに広がってゆく、
梅雨冷で少しひんやりしていながら、冬の空気ほど突き刺さるような冷たさはない
クールだけれども、憂いを持った目をした人のようです。
作品を拝見し雨の季節を感じました。
|