”水を浴びる ”
それでも10分もすると、前方に空いた空間が出来始めます。 そうして皆々、思い、思いに走り出します。 じょじょに人のまわりの空間が広がってきて、今度は走る大集団になります。 最初に他の人と競争しないで、ついていくーーそうでないと毎日日課として歩いているけれども、走った経験がないから、完走出来ないと思っていました。 このものすごい人、人の中では、競争などしていられません。 走る人々の集団の中に身を委ねる以外に方法はありません。 でも、そのおかげで無事完走できました。 (西田有輝) |
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梅澤 和夫
夏の空気 |
父が他界したのは、那須の家の近くにある日赤大田原病院でした。 梅雨でありながら、まるで盛夏のような入道雲がわいている暑い日でした。 それでも那須は避暑地だけあって、空気は清々しく水浴びの後のようでした。
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