Art Space Seiko

”水を浴びる ”



       好奇心からでしょうか?  若い仲間に勧められて、”コーポレイトチャレンジ”という3、5マイルのマラソンを走り
       ました。 走ったあとに、頭から ”水を浴びた”のです。 その気持ちのいいこと、もう最高でした。

       会場のセントラルパークに行くと、ものすごい人出です。2万5千人の人、人でいっぱいでした。 その人出が狭い道
       に、マラソンの開始とともに、一時に吐き出されるのですから、走り出すスペースなどありません。 それで、人の、
       人の、大きな、大きなになって、ゆっくり、ゆっくりと歩き出すことになります。
 水を浴びる それでも10分もすると、前方に空いた空間が出来始めます。 そうして皆々、思い、思いに走り出します。 じょじょに人のまわりの空間が広がってきて、今度は走る大集団になります。

最初に他の人と競争しないで、ついていくーーそうでないと毎日日課として歩いているけれども、走った経験がないから、完走出来ないと思っていました。

このものすごい人、人の中では、競争などしていられません。 走る人々の集団の中に身を委ねる以外に方法はありません。 でも、そのおかげで無事完走できました。 (西田有輝)

梅澤 和夫


夏の空気


圧倒的な南国の夏

光に揉みくちゃにされた

空気は熱く、どっしり重い

押しつぶされそう

夜になっても太陽熱の余韻が続き

ねっとりとした空気がまとわりつく

圧倒的な夏

すべてのものが太陽の下にひれ伏す季節

父が他界したのは、那須の家の近くにある日赤大田原病院でした。 梅雨でありながら、まるで盛夏のような入道雲がわいている暑い日でした。 それでも那須は避暑地だけあって、空気は清々しく水浴びの後のようでした。

熊本の戻るとすっかり夏になっており、圧倒的な夏の力にねじ伏せられるようです。 同じ夏の空気でも圧倒的な熊本と柔らかい那須の違いを感じています。 親の死後でもあり、熊本が夏より一層きつく感じます。

作品は那須の夏のような柔らかい夏を感じました。





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