梅澤 和夫
一期の夏
熱帯夜
ねっとりとした空気
暑さにばてて風も吹くのをやめた
粘調な汗が全身を包む
気だるい空気が思考を止める
別れにはふさわしくない季節
そんな時に旅立つ者もいる
最期の夏
見送る者には一期の夏
伝えたいことがいっぱいあるのに
伝えるべき一語がでてこない
思考麻痺の熱帯夜
それもいい
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「いちご」は「苺」でしょうが「一語」や「一期」もあります。 今の私には「一期」の文字が浮かびます。
昨今は父の死、転職、転勤など様々な人や物との別れがあり「一期」という言葉が心の中に響きます。
人と交わす一語、一語は本来、一期しかなく文章のように消したり修正したりはできません。
交わされた一語が様々な想いを生み、時には誤解も生じます。
一語を一期として人とのふれあいを大切にしたい。
熊本での最後の夏を楽しんでいます。
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