3/31/99
“小さな美術館”
十五六年前は、五十枚ほどであった暑中見舞いや、年賀状もいまでは、三百枚になりました。 一番
最初からの友人の場合、彼の手元には三十枚以上の葉書が今までに到着しています。 もしそれらが
、かれの心を感動させるに充分の、力強さを持っていれば、保管されていることでしょう。 先日、
葉書通信をしているご婦人から“貴方の送ってくれる絵葉書、額縁に入れて洋間にかけたわ。”と
いわれました。 そのときは、嬉しかっただけで、それほど重大なこととは考えませんでした。
けれども、このような人が沢山でてきたら、私のための、小さな美術館が沢山できるということで
す。 その美術館を訪れて、その額縁に入れられた絵を見る人々ー私が会うとは予想もしない人々ー
彼等も私のファンになってくれるかもしれない。 ああ楽しい空想だけれども、責任は重大です。
力強く・それで居て面白いものを送らなければなりません。 それが唯一、私が小さな美術館にして
上げられることです。(enlish site)
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